山本 陽子

翻訳家(日英)
キャンディス・ブレイツ、カールステン・ヘラー、リクリット・ティラバーニャ、カール・マイケル・フォン・ハウスヴォルフ 等のアーティストアシスタント/プロジェクトコーディネーターを経験。

アーティスト・ステートメントや展評の翻訳を主に手がける。

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Articles Translated
  • マーティン・ スターンによる[バベル・シリーズ] (1999年)の解説
    2001年にオーストリアの現代美術O.Kセンターでキャンディス・ブレイツの個展『CUTTING』が開催された時のカタログに掲載された文章。展覧会キュレーターであるマーティン・ スターンが、アーティストの思想を熟知した鑑賞者の立場から作品体験を基に考察を行っている。作品体験をしたことが無い人にもわかりやすく書いてあるのでおすすめ。

  • 2002年にベルリンで制作された『Alien』というビデオインスタレーションのための企画案。
    カタログなどには通常掲載されることがない文章であり、制作活動の一端をうかがい知ることのできる貴重な文章である。
    この作品の主題はヨーロッパにおける移民問題であるが、国境が存在している限り、そして共通言語が存在しない限り、地球上のどの国・地域にも共通する問題である。
    ブレイツ自身も故郷の南アフリカからNYへと留学、その後ベルリンへの移住を余儀なくされた経緯がある。この時期は、ブレイツ本人もドイツおよびドイツ語という新たな環境に馴染む必要があったわけだが、個人的事情を一切感じさせずに、的確な判断力と認識力によって普遍的な社会問題へと昇華させている。

  • ルイーズ・ネリ(キュレーター)によるインタビュー。2005年にロンドンのホワイトキューブギャラリーで個展をしたときに出版されたカタログより。
    ハリウッド映画やミュージックビデオを題材に作品を制作しているブレイツの著作権に対する思想とは?
    マスメディアと消費者‐ポップスターとファン‐親と子の関係性に潜む共通性を暴く。作品制作の裏話も語られており、アーティストとしてのブレイツの作品に取り組む姿勢がうまく引き出された非常に興味深いインタビューとなっている。

  • 『バベル・シリーズ』 (1999年)
    マドンナ、ワム、グレイス・ジョーンズ、クイーン、プリンス、アバ、ポリスという世界的に有名なポップスターたち。
    PV映像からほんの一瞬を取り出し加工された7つのDVDループ映像は、耳をつんざくような大音量で一斉に再生される。無意味な赤ちゃん語を大スターたちが喋っているようにも見え、ユーモラスな印象を受けると同時に、そこはかとない不吉さも感じられる。グローバリズムの時代におけるポップカルチャーと言語の関係性というこの作品に込められた主題が明らかになる。

  • 『四つのデュエット』 (2000年) 
    カレン・カーペンター、オリビア・ニュートン・ジョン、アニー・レノックス、ホイットニー・ヒューストンの代表的ヒット曲のPVを加工して制作された作品。ラブソングのリスナーは「I」あるいは「You」に自己投影していることを逆手にとり、一つの映像から「Iループ」と「Youループ」という2つの映像を再編集し、皮肉なエンドレスループの輪を作り上げた。

  • 2001年6月
    ロザンヌ・アルトスタットによるブレイツのインタビュー。
    ブレイツの作風とは、自分の国民性や個人的事情を感じさせるような要素を徹底的に排除するものである。その国特有の文化・現象にユーモアや皮肉を混ぜて加工した「お土産芸術」が氾濫するアートワールドとは一線を画しているブレイツ。そのような制作姿勢になった事情とは、果たして・・・?
    国際展で起こりがちな問題や、拡大するグローバリズムによる危機感を作品に絡めて語る。
    2001年に行われたインタビューではあるが、指摘されている問題は現在進行形で拡大している。

  • デイビット・ハント(ニューヨークを拠点とする批評家)によるインタビュー。
    フラッシュアート 2000年3月~4月号 掲載。
    現代社会でわたしたちが見失いがちな、グローバリズムによる世界共通言語としてのポップカルチャー、芸術とビジネスの問題点を『バベル・シリーズ』と『カラオケ』の解説を交えて語る。現在起きている流行芸術の風潮を2000年の時点ですでに指摘していたのです。

  • 『カラオケ』 (2000年)
    10人の素人がカラオケを歌っている・・・。しかもてんでバラバラに。曲目はコーヒーのCMでおなじみの「Killing Me Softly (やさしく歌って)」。この作品に込められたテーマは「言語の習得」である。新たな言語を習得することの真の意味とは、そしてこの選曲に秘められた意味とは?

  • 1999年にDundee Contemporary Artsで開催された展覧会のカタログに掲載されたインタビュー。
    このテキストのタイトルは、オラファーがレクチャーなどで口にしているフレーズ。全ての人に共通しているたった一つのことって・・・?
    建築と人間、周囲環境とその知覚に関する興味深い対話。

  • クリストファー・フィリップスによる作品解説
    1999年から2001年までの4作品(バベル・シリーズ、カラオケ、四つのデュエット、独白三部作)を順次紹介する網羅的な解説文。ブレイツが初期のフォト・モンタージュからビデオアートへ転向したことによる効果とは。一見コミカルにも思えるブレイツ作品の根底にしっかりとした土台が存在していることが、この文章からはっきりと伺える。アートを勉強している人にぜひ。